安陀会(あんだえ)五条袈裟
袈裟から仏教を学ぶ
安陀会(あんだえ)とは、袈裟の三衣の1つであり、五条袈裟の別称です。
もっとも小さいことから小衣(しょうえ)と言われることもあります。 読み方はサンスクリット語から漢字で伝わったものが音写されたことから、あんだえになりました。
現代での扱われ方は、日常生活や就寝時、作務中に着用するものとされていますが、釈尊の時代には下着のような扱いで(1枚だけを着用する袈裟)大切に着用されてきたという歴史があります。
当初は糞掃衣として旅行などにも唯一常に着用されていた袈裟の1つであり、仏門を学び、修行するには唯一と言ってよいほど常に着用する機会のあるものでした。
しかし、日本では「糞掃衣」の精神が薄まってしまったこと、そもそも拾い集めることが困難であったため、道元禅師が著した「袈裟功徳」の中でも 「今日本国かくの如くの糞掃衣なし。たとひ求めんとすとも、逢ふべからず、辺地小国悲しむべし。 ただ檀那所施の浄財これを用ひるべし。人天の布施するところの浄財、これを用ひるべし。」眼蔵:袈裟功徳
と、指摘されています。
安陀会(あんだえ)の縫いにかける日数とは?
仏教では、三衣を縫い仕上げるまでの日数を超えると罪になるとされており、五条袈裟である安陀会(あんだえ)はその期日が2日とされています。
条数と長短が持つ意味とは?
袈裟に限らず、仏教で縁起の良い数字は奇数だとされており、仏前に備える仏花なども奇数が基本になっています。 近年ではお墓参りなどで割り切れない数字を用いて「縁」とかけることもありますが、もともとは仏門において、経典や仏法の難解さは割り切ることが出来ないためだという意味があったともされています。
また、袈裟には長、短の二辺があり、条数が変わると増えるのは「長」であり、「短」が増えることはありません。 これは、長は善を伸ばし、短が悪を滅するという意味を持っているからです。五条袈裟においては「一長一短」で縫い合わせるものです。