アヒンサーシルクとは。仏教に通じる「不殺生」の想いをこめた絹糸
「アヒンサーシルク」ご存知ですか?
アヒンサーとは、「不殺生」を意味するヒンディー語です。つまり、アヒンサーシルクとは「不殺生の絹」のこと。 言葉通り、蚕を殺さずに作られた絹をいいます。
この記事では、僧侶の方に向けて、アヒンサーシルクがどのようにして紡がれているのか、また、オーガニックシルクとの違いについても解説します。
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アヒンサーシルクとは
アヒンサーシルクとは、蚕を殺すことなく、繭を紡いで作られる絹のことです。
通常のシルク(絹糸)は、蚕が繭に入った状態のまま茹でて、蚕を殺してから糸を丁寧に巻き取ります。1つの繭から採取される糸の長さは350〜1000mにもなります。
一方アヒンサーシルクは、成長して羽化した蚕が、繭を突き破って出てきた後の繭を紡いで作るものです。そのため、絹糸が切れてしまい、一本の長い絹糸としては収穫できません。
切れた繊維を紡いで作るので、通常の絹糸よりも光沢は少ないものの、茹でないのでとても柔らかく、温かみのある絹糸に仕上がります。収穫量も通常のシルクの6分の1ほど。
そのため通常のシルクより希少価値が高く、値段も高いのがアヒンサーシルクの特徴です。
アヒンサーシルクの作り方
アヒンサーシルクは、このような工程で作られます。
- 幼虫たちが作った繭に細心の注意を払い、小さな穴を開ける
- それを部屋の中に吊るしておき、2〜4週間孵化するのを待つ
- 蝶が飛び立ったら、残った繭で絹糸を紡ぐ
アヒンサーシルクとオーガニックシルクの違い
「オーガニックシルク」という言葉を聞かれたことありますか?オーガニックシルクとアヒンサーシルクはどう違うの?と疑問に思われた方もいるかもしれません。
オーガニックシルクは、蚕が食べる桑の葉に農薬を使わず、周りの環境にも化学肥料・農薬・除草剤(合成)を使用せずに作られた絹糸のことを言います。
一方アヒンサーシルクは、蚕を殺すことなく作られたエシカル(倫理的)な絹糸のことです。
どちらも、命や環境を大切にするという仏教の教えに通じるものがありますが「不殺生」という仏教特有の考えと合致するのは、アヒンサーシルクということになります。
アヒンサーシルクが貧困を救う可能性
インドには、アヒンサーシルクの洋服やアイテムを作るアパレルブランドがあります。インド人デザイナーの Prakash Jha が立ちあげました。
彼が生まれ育ったジャールカンド州の主要産業の一つに養蚕があります。そこで作られたシルクは世界的にも有名です。
しかし、シルクの造り手の多くは価値がわかっておらず、仲買人から安く買いたたかれているという現状があるそうです。そのため、まだまだ貧困にあえぐ人々が多く存在します。
そこで Prakash Jhaは、シルクの作り手である女性たちを雇用しアヒンサーシルクの製法を教えることで、故郷の産業と経済の発展に尽力しています。
アヒンサーシルクを使った商品は市場ではまだまだ少ないのですが、今後エシカルな観点から、需要が増加する可能性は高いと言われています。
法話にも取り入れられるアヒンサーシルク
アヒンサーシルクの話は「不殺生」を題材にした法話にも取り入れることができます。
「命を大切に、周りの全てに感謝を」という仏教の教えを、今後エシカルな視点で注目度が上がるであろうアヒンサーシルクに絡めてご法話いかがでしょうか?
直七法衣店×アヒンサーシルク
直七法衣店では、アヒンサーシルクを使った各種お袈裟をお仕立ていたします。
直七法衣店自慢の縫い子さんによる手作業で丁寧に作られ、手触りがよくふんわりした、他にはない優しい風合いです。
不殺生という想いに共感して下さった方に、ぜひ身に着けていただきたいお袈裟です。
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