京都・1920年創業の直七法衣店が、法衣袈裟の基礎知識を宗派の様式に沿って解説します。各宗派の新調・オーダーメイドから、洗濯・修繕・寸法直しまで一貫して承ります。生地・色柄・サイズのご相談はLINEでもお気軽にどうぞ。

目次

袈裟類

袈裟と「条(じょう)」について

袈裟は縦に並ぶ布の列(条)の数で大きく分かれ、五条<七条<九条と条数が増えるほど大きく格が上がります。最上位の「大衣(だいえ/僧伽梨衣)」には九条から二十五条まで(すべて奇数)があり、二十五条が最高位です。

九条袈裟くじょうげさ

縦に九列の布を縫い合わせた大型の袈裟で、三衣のうち最上位「大衣」に分類されます。特別法要や説法など、最も正式な場面で導師等が着用します。

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七条袈裟しちじょうげさ

縦七列の布で構成される袈裟で、日本では礼装用の袈裟として用いられます。葬儀・特別法要などの礼装で、浄土真宗本願寺派の服制では礼装第一種=色衣+七条袈裟、礼装第二種=黒衣+七条袈裟と定められています。

▷ 関連:七条袈裟

五条袈裟ごじょうげさ

縦五列の布で構成される、最も日常的に用いる基本の袈裟です。年忌法要・法座・通夜などに用い、本願寺派では正装・略正装に用います(色衣または黒衣+五条袈裟)。小型の「小五条袈裟」もあります。

▷ 関連:五条袈裟

輪袈裟わげさ(折五条・畳袈裟)

首から掛ける輪状の略式袈裟です。よく似た首掛けの略式袈裟に折五条(おりごじょう)や畳袈裟(たたみげさ)があり、これらをまとめて「輪袈裟」と通称することもあります。一般には僧侶が略装時に用い、宗派によっては在家も掛けます。浄土真宗本願寺派では、門信徒は輪袈裟ではなく「門徒式章」を用います(僧侶は服制上、略装・正服・略服で輪袈裟を着用します)。

▷ 関連:輪袈裟・畳袈裟・折五条

絡子らくす

禅宗系(曹洞・臨済・黄檗など)の僧侶が、胸に掛けて用いる小型の袈裟です。浄土宗では、この絡子が変化した略式の袈裟(鐶=かんがなく、威儀=肩にかける帯が細い)を「小五条(こごじょう)」または「威儀細(いぎぼそ)」と呼びます。浄土真宗では用いません。

式章しきしょう

在家門信徒が仏前で掛ける、肩衣の代用となる正装用具です。一般には「式章」と呼ばれます。宗派ごとに正式名称・宗紋が異なり、浄土真宗本願寺派(お西)は「門徒式章」(宗紋「下り藤」)、真宗大谷派(お東)は「略肩衣」(宗紋「抱牡丹」)です。着用するのは門信徒(在家)で、僧侶の法衣袈裟とは別系統です。念珠・聖典とともに仏前での正装とされます。

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法衣類

黒衣こくえ直綴じきとつ

直綴は、上衣と裳(裙)を腰で縫い合わせた一続きの法衣で、僧侶が平生着用する基本の衣です(鎌倉期に禅家から広まりました)。黒衣は黒色(墨染)の法衣の呼称で、多くは直綴等を黒く染めたものです。つまり直綴は「形(仕立て)」の名称、黒衣は「色」の名称で、次元が異なります(黒い直綴=黒衣であることが多い)。色は身分・僧階で変わり、平僧は黒衣、上人位等は色衣となります。本願寺派では衣を色衣・黒衣・布袍・教服に区分し、黒衣は袈裟と組み合わせて着用します。

▷ 関連:黒衣・直綴サイズ表 黒衣

布袍ふほう間衣かんえ改良服かいりょうふく

いずれも僧侶が日常・略式に着用する黒色の上っ張り型の衣で、ほぼ同形の「普段着の衣」を宗派ごとに別名で呼ぶものです。布袍=浄土真宗本願寺派(お西)、間衣=真宗大谷派(お東)、改良服=天台・真言・日蓮・浄土宗などの呼称です。寺内での日常、月忌参り、檀家宅訪問、研修など非儀礼の場面で用い、袖を小さく丈を短めにして動きやすくした略式衣です。本願寺派では布袍を正服・略服に用います(布袍+輪袈裟)。

▷ 関連:布袍・間衣・改良服 / サイズ表:布袍間衣改良服

色衣しきえ

黒衣に対し、色のついた格上の衣で、僧位・僧階(僧班)に応じて色が細かく定められます。本願寺派では「衣体条例」で色衣の色が厳密に規定されており、一般の僧侶が着用する「一般衣体」では、僧班により次の8段階で色衣の色が定められます(上位→下位)。

僧班 色衣の色
顕座 蘇芳重(すほうかさね)色
親座 橡葉重(とちばかさね)色
直座 銀杏重(いちようかさね)色
特座 葉裏(はうら)色
正座 落葉重(おちばかさね)色
上座 栗皮(くりかわ)色
本座 青丹(せいたん)色
列座 薄縹(うすはなだ)色

このほか、特許衣体・職務衣体(例:総長=濃桑色)・特別衣体(例:僧綱=白色)・学階ごとにも色が個別に規定されています。詳細は本願寺「衣体条例」別表第1号に拠ります。なお日次勤行等では色衣を黒衣にかえることができます。真言宗・天台宗などは僧階ごとに別系統の色規定があります。

▷ 関連:色衣・裳附・素絹・袍服サイズ表 色衣

素絹そけん

天台宗・真言宗などで用いる、平安期に創案された「清浄の衣」で、上下一続きの法衣です。現代の「素絹」は裾を詰めた「半素絹/切素絹」を指すのが一般的で、腰前に「石帯」を蝶結びにします。生地の硬軟や宗紋・柄物など宗派差があり、色は僧階に準じます。

▷ 関連:色衣・裳附・素絹・袍服

衣類・履物

白衣はくえ

法衣・袈裟の下に着る白色の衣で、装いの土台です。白襦袢の上、布袍・黒衣・色衣などの下に着用します。本願寺派の各服制では「白足袋+白衣+白襦袢+白帯」が基礎となり、夏用・冬用があります。

▷ 関連:白衣・白衣地・色服サイズ表 白衣

襦袢じゅばん

白衣のさらに下に着る肌着・下地衣で、法衣着用時の最下層となります。裾除けと組み合わせます。

▷ 関連:襦袢・裾除けサイズ表 襦袢

作務衣さむえ

作務(掃除・労務)の際に着る、上下に分かれた動きやすい作業衣です。儀礼ではなく労務・日常作業時に用い、元来は禅宗の作務用でしたが、現在は宗派問わず普及しています。

▷ 関連:作務衣

オーダーメイド・サイズ・お手入れ

オーダーメイド・お仕立て

品目により、生地・色柄・寸法を選んでのお仕立てやフルオーダーに対応しています(既製品もございます)。ご相談→お見積り→お仕立ての流れで、納期は品目により異なります。

サイズの選び方

身長・裄丈などをもとにお選びいただけます。品目ごとにサイズ表をご用意し、迷う場合はLINEで採寸方法をご案内します。

お手入れ(洗濯・クリーニング・修繕)

正絹・化繊など素材で扱いが異なります。直七法衣店は洗濯・クリーニング・修繕・寸法直しに対応。房紐の切れ・色あせ・傷みも職人が対応します。全国発送可。

宗派の違いについて

浄土真宗本願寺派・真宗大谷派・浄土宗・真言宗・曹洞宗など、宗派ごとに形式・色・宗紋(例:本願寺派は「下り藤」)が異なります。直七法衣店は各宗派の様式に応じてお仕立てします。

よくある質問

法衣と袈裟の違いは?
「法衣(ほうえ)」は僧侶が着る衣全般(黒衣・布袍・色衣など)、「袈裟(けさ)」はその一番外側に偏袒右肩で羽織るもの(七条袈裟・五条袈裟・輪袈裟など)を指します。もともとインドでは袈裟そのものが衣でしたが、日本では内側の衣を法衣、外にまとうものを袈裟と呼び分け、あわせて「法衣袈裟」といいます。
七条袈裟と五条袈裟の違いは?
条(布の列)の数の違いで、七条袈裟は最も正式な礼装に、五条袈裟は日常の基本の袈裟として用いられます。
法衣袈裟は洗濯できますか?
素材により扱いが異なります。直七法衣店が洗濯・クリーニング・修繕・寸法直しに対応します。家庭での丸洗いは避けてご相談ください。

※色衣の色などは浄土真宗本願寺派「衣体条例」に基づきます。

その他、生地・色柄・サイズ・お手入れなど、なんなりとご相談くださいませ。ご相談・お見積りは公式LINEより承ります。

直七法衣店 四代目ナオシチ
合掌