「通年使える、お手頃な七条袈裟はないものか」——法衣店をしていると、年々この声が増えてきます。

昔ながらの七条袈裟は、豪華で立派です。けれど、空調の効いた今のお寺では、重く、そして暑い。葬儀や法要で一日身につければ、お体への負担も小さくありません。僧侶の皆さまとお話しするたび、私はそれが、ずっと気がかりでした。

「豪華で立派なほど、よい。」長く、そう思われてきました。けれど、その“当たり前”は、いまの時代に本当にかなっているのでしょうか。

——直七は、その問いから、まったく新しい七条袈裟をつくりました。京都・東西本願寺の間で、百年あまり法衣袈裟を仕立ててきた直七だからこそできることがあります。

通年使える軽さと、プロの目にもかなう品質を両立させた、「通年仕様のセミオーダー七条袈裟」です。

「安く・軽い」にひそむ、二つの落とし穴

重くて暑い昔ながらの七条袈裟。その反動から、十年ほど前、「安く・軽い」七条袈裟が一気に広まりました。たしかに、軽い。けれど、しばらく使われた方が、口をそろえて言われます。「これは、ちょっと違う」と。

落とし穴は、二つあります。

一つ ── 張りのなさが、だらしなさに

ただ薄く軽くするだけでは、着用してもクタッと張りがなく、どこかだらしない。だらしなさや安っぽさは、僧侶本人にも、檀家門徒さんにも、不思議と伝わってしまうものです。法要の場で、いちばん人目に触れるものだからこそ、妥協はできません。

二つ ── 裏地が弱く、すぐ傷む

直七は、表地はもちろん、むしろ「裏地」にこそ、その店の姿勢が表れると考えています。安く軽い袈裟ほど、薄く破れやすい裏地が使われがちで、数年で擦り切れてしまう。修理に出せば、その都度、時間も費用もかかります。「安物買いの銭失い」とは、まさにこのことかもしれません。

つまり、ただ「安い・軽い」を追うと、見栄えも耐久性も失ってしまう。問い直すべきは、軽さそのものではありません。

「軽さと、品質・耐久性を、どう両立させるか」です。

通年使える軽さと、品質の両立

たどり着いた答えは、奇をてらった新素材ではありません。夏にも冬にも使える、ちょうどよい塩梅の生地を選び抜くこと。そして、軽さのなかにも張りのある裏地をあわせ、品質と耐久性を追求すること。この二つでした。

軽さと丈夫さは、相反するようでいて、生地の見立てと丁寧な仕立てで両立できます。安く仕立てるだけなら、誰にでもできます。けれど直七は、仕立て師の手仕事を安売りすることなく、価格以上の価値をお届けします。

受注生産セミオーダー / 通年仕様
税込 550,000円 +送料
えん4色 × 台中だいなか4柄
= 16通りからお選びいただけます

16通りから、あなただけの一領を

七条袈裟は、えん台中だいなかという二つの部分から成ります。縁は碁盤の目のように縦横に走る枠、台中はその枠に囲まれた部分。この二つの組み合わせ次第で、印象はがらりと変わります。

直七オリジナルの色柄から、縁4色・台中4柄。その掛け合わせ16通りのなかから、あなただけの一領をお選びいただけます。

えん ── 紗綾形地紋の4色

01
納戸色なんどいろ 落ち着いた青みの紺。どんな台中とも合わせやすい一色です。
02
本紫色ほんむらさきいろ 高貴な品格をたたえた紫。装いに重みと格を添えます。
03
臙脂色えんじいろ 豪華で深みのある赤。華やかな法要の場で映えます。
04
桃花色とうかいろ やわらかな桃色。品よく凛と、個性を大切にされる方にも。
四代目ナオシチのひとこと迷われたら定番の「納戸色」、高貴さをプラスなら「本紫色」です。「臙脂色」はやや豪華に映え、「桃花色」は、女性僧侶はもちろん、オシャレで他にはないものがお好きな方にもオススメです。

台中だいなか ── 趣の異なる4柄

01
白茶地 青藍葡萄蜀甲華紋せいらんぶどうしょっこうかもん白茶色をベースに、青系の葡萄蜀甲が、爽やかで現代的な印象を与えます。
02
白茶地 深緑向龍蜀甲華紋ふかみどりむかいりゅうしょっこうかもん白茶色をベースに、向かい合う二匹の龍が、気高い風格を漂わせます。
03
蘭茶地 深紅蓮華華紋しんくれんげかもん蘭茶色をベースに、深紅の蓮華が、凛とした力強さを宿します。
04
蘭茶地 殿茶蓮華華紋とのちゃれんげかもん蘭茶色をベースに、落ち着いた殿茶色の蓮華が、やわらかな趣を添えます。

「どれが自分らしい一領になるか」。迷われたら、直七にご相談ください。組み合わせを選ぶひとときも、セミオーダーならではの楽しみです。


裏地にまで、こだわる理由

表の華やかさは、誰の目にもわかります。けれど直七は、見えない裏地こそ大切だ、と考えています。しっかりした裏地には、二つの確かな良さがあるからです。

ひとつは、破れにくいこと。安価な薄い裏地は数年で擦り切れ、修理のたびに手間とお金がかかります。長く使えてこそ、一領の価値が生きてきます。

もうひとつは、見栄えがよくなること。軽いなかにも張りのある裏地により七条袈裟がクタッとせず、きっちりとした佇まいとなります。


一領を、末永く。手仕事の未来へつなぐ。

七条袈裟は、僧侶にとって大切な御袈裟です。また、十年、二十年と、長期に渡り着用するものです。だからこそ、納得の一領を選び、手入れをしながら、末永く使い続けていただきたいのです。

その一領には、仕立て師の、長い歳月をかけて磨かれた技術・知識が宿ります。生地の見立て、針の運び、着用しやすい道具位置。その一つひとつは言葉にはなりませんが、確かに、御袈裟に活かされています。

しかし、法衣袈裟を縫える仕立て師は、年々静かに、そして確実に減り続けているのも事実です。仕事があってはじめて、技術は次の手へと渡っていきます。よい一領を選び、大切に着用し、修繕し受け継いでいく——

その一つひとつが、仕立て師の仕事となり、その技術・知識を次の世代へとつなぎます。その一領は、百年先の手仕事への、確かな一歩でもあるのです。


よくある質問

他店さんの「安く・軽い」七条袈裟と、何が違うのですか?
軽さだけなら、単に薄い生地で仕立てれば実現できます。しかしそれでは、傷みやすく、張りもなく、だらしない印象になりかねません。その点、直七の「新・選べる七条袈裟」は、軽さのなかにも張りのある表地と裏地で、品質と耐久性の両立を実現しています。
高い買い物です。色柄選びで失敗したくありません。
ご検討の際には、店頭やLINEで、ご希望をとことんお聞きし、組み合わせのイメージを共有、またご希望の方には、生地サンプルを郵送いたします。まずは相談だけでも、お気軽にご連絡くださいませ。
浄土真宗本願寺派以外でも、お願いできますか?
浄土真宗本願寺派をメインとしておりますが、お仕立て可能な宗派の御袈裟もございますので、ぜひご相談ください。
納期はどのくらいですか。いつ頃相談すれば?
ご相談時の生地在庫や仕立ての混み具合により、一概に申せません。基本的にご注文からのお仕立てとなりますので、ご検討の際は、できるだけお早めにご連絡くださいませ。
女性僧侶におすすめの色はありますか?
桃花色はいかがでしょうか。ショッキングピンクのような強い色ではなく、やわらかな桃色で、品よくまとめています。
色柄は、これから増えますか?
はい、ご好評でしたら、前向きに検討させていただく予定です。最新の取り扱い状況は、LINEにてご確認くださいませ。

ご相談・ご注文

縁と台中の組み合わせ、色柄の選び方、お体に合わせた寸法——七条袈裟のお誂えは、お一人おひとり異なります。

「どれを選べばいいか、よくわからない」。それで当然です。どうぞ、お一人で悩まず、ナオシチにご相談ください。

直七では、LINEで直接お話をお伺いし、客観的に見たバランスも含めて、お一人おひとりに最適な一領を、ご一緒に考えてまいります。気になる点があれば、とことんご質問いただき、納得いただいてから、ご依頼ください。

お選びいただいたその一領は、仕立て師の手仕事を次の世代へ、百年先へつなぎます。七条袈裟購入という、僧侶の皆さまの大きな決断に、直七は全力で寄り添わせていただきます。

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