僧侶の品格が垣間見られる「修多羅」のお話
僧侶が袈裟と袈裟を繋げる装飾品の1つに「修多羅」というものがあります。
もともと、サンスクリット語では「スートラ」と言う発音だったものが、転じて「しゅとら」修多羅と訳されたものであり、もともとは仏教の経典そのものを指す言葉でした。
中国で大きく装飾品が文化として根付いたあとには、修多羅は袈裟と袈裟を繋げる重要な装飾紐として広まるようになりました。
修多羅の発祥
もともと、インドにおけるスートラの役割はお経の記された経典そのもの、または経典を束ねるための紐を指す言葉であったとされています。
仏教において経典とは答えや真理をそのまま書き残したものであり、仏門の人々にとっては生きるための答えでもあるわけです。
言い方を変えれば、非常に重要な書物を指しているわけであり、これを結ぶためにはきちんとした紐が必要だったのです。
さらに、インドにあった経典の多くは中国で本格的に研究、訳されるという時代があったため、こういった移動のときにも重宝されてきました。
「だらしがない」「ふしだら」の語源となった説も
修多羅はサンスクリット語でスートラであったものが転じていく間に、日本語で言う「だらしがない」「ふしだら」という言葉の語源になったとも言われています。
しだら、という音写の否定が「ふしだら」もしくは「だらしがない」という説ですが
これらはきちんとした修多羅が付けられていない様子の反対から生まれた言葉という説もあるのです。
修多羅は僧侶の品格を表すことも
一般的に、修多羅は七条袈裟を繋ぐために用いられることから、きちんとした場所では非常に目立ちやすいものです。
語源としての説に修多羅がない様子を「だらしがない」と呼ばれるように、修多羅はしっかりとした物を装着することが大切です。