直綴・褊衫・裙子ってなに?|法衣袈裟
法話のネタに、酒の肴に
法衣袈裟から仏教を学ぶトリビア
法衣袈裟から仏教を学ぶトリビア 第1話。
今回のテーマは...
「直綴・褊衫・裙子」
法話のネタに、酒の肴に。
ナオシチ四代目といっしょに、ゆっくり学びましょう!
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Tweet1. 法衣の「直綴・褊衫・裙子」とは?
みなさん、法衣の「直綴・褊衫・裙子」...ご存じですか?
直綴・褊衫・裙子とは「法衣の種類」
宗派によって、使ったり使わなかったりします。
2. 法衣の「直綴・褊衫・裙子」なんと読む?
法衣の「直綴・褊衫・裙子」...見慣れない漢字ですね。
なんと読むのでしょうか?
答えは...
・直綴:じきとつ
・褊衫:へんさん(へんざん)
・裙子:くんす(くんず)
と読みます。
3. 法衣の「直綴・褊衫・裙子」今でもあるの?
はい、直綴・褊衫・裙子は、今でも使われています。
ただし、日本の仏教、すべての宗派ではありません。
3-1. 直綴(じきとつ)を使う宗派
真言宗・天台宗・浄土真宗など
3-2. 褊衫(へんさん)を使う宗派
真言宗・天台宗など
3-3. 裙子(くんす)を使う宗派
真言宗・天台宗など
たとえば同じ「浄土真宗」でも、
「本願寺派や大谷派」などに分かれています。
またそこで直綴を使ったり使わなかったり、
形・呼び名がすこし違ったり。
ややこしいですね...
4. 法衣の「直綴・褊衫・裙子」どんな形?
4-1. 直綴(じきとつ)の形
直綴=「直」接「綴 (つづ)」る
なにかとなにかを綴った、つまり、つなげた形。
なにとなにを、つなげたのか... そう、
「偏衫(へんさん)」と「裙子(くんす)」です。
4-2. 褊衫(へんさん)の形
長い袖のついた上着
形の成り立ちは、
左肩をおおう「僧祇支」という布と
右肩をおおう「覆肩衣」が合わさり、
さらに「襟や袖」がついたものです。
・僧祇支(そうぎし)
・覆肩衣(ふっけんえ)
・襟(えり)
・袖(そで)
4-3. 裙子(くんす)の形
スカートのような下着
腰紐(こしひも)のついた、ヒダのあるスカートのような布。
5. 法衣の「直綴・褊衫・裙子」いつからあるの?
法衣の「直綴・褊衫・裙子」は、いつうまれたのでしょうか?
5-1. 直綴(じきとつ)のうまれ
日本でうまれた法衣
インドや中国にはありませんでした。
鎌倉時代につくられたといわれています。
5-2. 褊衫(へんさん)のうまれ
中国でうまれた法衣
インドにはありませんでした。
中国の気候や文化慣習から、袈裟の下に着る法衣として、うまれました。
5-3. 裙子(くんす)のうまれ
中国でうまれた法衣
インドにはありませんでした。
褊衫とセットで着られました。
6. どんなときに着られたの?
法衣の「直綴・褊衫・裙子」は、どんなときに着られたのでしょうか?
6-1. 直綴(じきとつ)を着るとき
普段着として
上下一体の方が、普段着としては、楽で便利ですよね。
6-2. 褊衫(へんさん)を着るとき
正装として
6-3. 裙子(くんす)を着るとき
正装として
褊衫とセット「上下スーツ」のイメージですね。
7. どんな色があるの?
法衣の「直綴・褊衫・裙子」には、どんな色があるのでしょうか?
7-1. 直綴(じきとつ)の色
宗派により異なります。たとえば、
浄土真宗や天台宗でよく使われる色は...
浄土真宗:黒
天台宗:木蘭系
宗派により、着れる色が決まっていたりもします。
7-2. 褊衫(へんさん)の色
褊衫でよく使われる色は...
「壊色(えじき)」である木蘭系の色
壊色とは、もともとインドで「袈裟に適した色」とされた色です。
7-3. 裙子(くんす)の色
裙子でよく使われる色は...
「壊色(えじき)」である木蘭系の色
褊衫とセットなので、基本的に褊衫と同じ色に合わせます。
8. まとめ
・日本でうまれ、普段着として使われた
・上下一体の法衣(黒や木蘭色など)
・中国でうまれ、正装として使われた
・上着型の法衣(木蘭色など)
・中国でうまれ、正装として使われた
・スカート型の法衣(木蘭色など)
以上、法衣の「直綴・褊衫・裙子」でした!