七条袈裟のお話
七条袈裟は三衣の1つに数えられる法衣であり、
主に僧侶が聴講・礼仏の際に着用する礼装の一種です。
七条袈裟の別称
- 鬱多羅僧(うったらそう)
- 中衣(ちゅうえ)
- 入衆衣
など
七条袈裟の始まりと成り立ち
釈尊の時代には七条袈裟は体に纏う布のような形をしていましたが、中国日本と仏教や袈裟が伝わっていくなかで形態を変えてきた歴史を持ち合わせています。
もっとも顕著な分類としては「如法衣」と「荘厳衣」の2つが挙げられます。
如法衣は壊色の七条袈裟を指し、僧侶としての通常服という扱いをされます。どちらかと言えば釈尊時代の袈裟に近く、煌びやかなものではありません。
一方、荘厳衣の七条袈裟は日本においては国政と仏教が重なりを持った鎌倉時代からすでに使用されてきた歴史があります。
これは中国大陸においても僧位を示すために袈裟で差別化を測ったという説から、日本においても国政仏教としての儀式などにおいて、規律が必要であったからとも言われています。
鎌倉仏教時代、日本では官服と共に袈裟を着用していたとも言われており、中でも七条袈裟は僧侶としてのアイデンティティを示すものになってきました。
七条袈裟の縫いは荘厳衣、如法衣共に違いはありませんが、使用される糸や材質、布については宗派によって様々です。
また、現代においても、一般的に人前に出る法要や聴講、礼仏時については七条袈裟以上を身に纏うことが礼節となっていることが多く見られます。
現代の七条袈裟
現代の七条袈裟は、多くの僧侶にとってはいわゆる一張羅、かつ1度買ったものを大切に着るという習慣が根付いていると言えます。
七条袈裟の中には、本金糸などが含まれた高価なものから、オリジナル図案を現したもの、ある程度の型に沿ったものなど色々なラインナップが存在しています。
七条袈裟の購入、修繕などのご相談は、ぜひ直七法衣店までお気軽にご連絡ください。