播州織とは
先染め綿織物の日本全国シェア50%以上を占め、世界トップブランドでも使われる織物です。「飛田安兵衛」という宮大工が京都の西陣から技術を導入し、農業の副業として始まりました。
国内中心から国外向けへの飛躍
1892年には組合が設立し組織化され、浴衣地などが織られました。第一次世界大戦までは国内中心の産業でしたが、戦後は国外向けへと舵が切られました。
オイルショックなどによる衰退
戦後のドルショックやオイルショック、プラザ合意による円高の影響で、国外向けの播州織は衰退しました。1990年代からは、国内向けへと再び舵が切られます。
現代の播州織
以前、直七でもコラボした「神戸タータン」など、ブランド化による再復興が図られています。あまり表に名の出ることのない「播州織」ですが、優しい風合いと肌触りは、お袈裟にも適しています。
このたび直七では、下記3色をピックアップし、お袈裟に仕立て上げました。
色柄
真紅×鳥の子
真紅(しんく)とは、紅花により染められた深みのある紅色。昔はとても高価だったので、禁色(きんじき)とされました。
鳥の子(とりのこ)とは、赤みがかった淡い黄色。鎌倉時代からの色で「ニワトリの卵の殻」の色に由来します。平安時代には「老人の衣装」に使う色とされました。
黄蘗×紺碧
黄蘗(きはだ)とは、明るく淡い黄色。黄蘗とはミカン科の木で、 樹皮が黄色いことから「黄肌→黄蘗」といわれました。また紙を「黄蘗染め」すると防虫効果があったので、虫に食われてはいけない経典や戸籍簿などに使われました。
紺碧(こんぺき)とは、空や海のように濃く深い青色。若々しい印象を与えます。海外では「アジュール(AZURE)」と呼ばれます。
檳榔子黒×鉛丹
檳榔子黒(びんろうじぐろ)とは、青みを含んだ気品のある黒色。紋付においても最高級の黒染色で、藍を下染めにすることから「藍下黒(あいしたぐろ)」とも呼ばれました。
鉛丹(えんたん)とは、やや赤みの強い鮮やかな橙色。丹は「赤い土」のこと。最古の顔料の一つであり、神社仏閣の下塗りにも用いられました。
対応宗派
浄土真宗各派、浄土/真言/天台宗にも本数により対応可。
紋入りや、各種小物にもお仕立てできます。
その他ご不明点などございましたら、何なりとご相談くださいませ。合掌