「はじめまして、ナオシチです。」

皆さまはじめまして。1920年から京都の地で法衣店を営む「直七法衣店(なおしちほういてん)」と申します。僧侶の方や、仏教がお好きな方からは、ちょっと尖ったことをしている法衣店という認識をしておられるかもしれません。実際、SNSでの積極的な発信やYouTubeでの発信、zoomを活用した座談会など、他の法衣店ではあまり見られない、ユニークな取り組みをしてまいりました。

「仏教なんて必要ない」

僧侶の方にとっては、つらく感じてしまう言葉かもしれません。でも、仏教は日常生活で必要だと、どれだけの方が感じているでしょうか?例えば、会社で「仏教がありがたい」と感じたり、南無阿弥陀仏と称えたくなったりすることはありますか?実際は、そんな人をみかけたら「あいつは宗教にハマっている」と敬遠されてしまいかねないでしょう。

私もそうでした。法衣店に生まれた者でありながら、仏教に対して信仰心はありませんでしたし、出張で各地のお寺さんに営業のときも、恥ずかしくて「南無阿弥陀仏」ひとつ称えられませんでした。

でも、法衣店を続ける中で、誰か大切な人が亡くなったり、人生のどん底にいると感じたりしたときに、すがるように触れさせてもらえるのも仏教だと気づきました。

だから、僕自身が仏教に触れられる機会として「直七座談会」を始めました。その後、世界を襲ったコロナ禍。「直七大学」と装いを改め、zoomやYouTubeを活用して仏教を学ぶ場を作ったり、「5分でお経」と題して早朝から生配信で「重誓偈」などのお経を教えてもらい、いっしょに唱える機会を作りました。

おかげさまで直七大学はかれこれ3年、300講座ほど実施してまいりましたが、それでもやっぱり仏教って何だかよくわかりません。そして、戦争は無くならないし、みんな幸せそうにも見えません。

この世の中で、どう生きればいいのだろう?僕は法衣店としてどう生きていけばいいのだろう?毎日毎日、悩み考えました。

人によって、生き方や考え方は様々です。

「生きる」上で宗教が欠かせない人もいれば、好きな野球チームを応援することが欠かせない人。家族が欠かせない人、オシャレが欠かせない人……。

法衣店を守る僕は、単に法衣を売るだけでなく、法衣店の本質を問い続けながら「宗教を次世代へ」みんなで伝える、という生き方を選びました。

僧侶の方々には化学繊維の衣でなく、機械織の袈裟でなく、職人を守り伝統文化を伝えるために、ちゃんとした法衣袈裟を選んで欲しい。でも、そこに至るまでには価格や知識など、多くのハードルがあることもまた事実です。だからこそ、一緒に考えていきたい。一緒に乗り越えていきたい。

幸いなことに、インターネットの普及により日本中・世界中の人たちと繋がれるようになりました。お寺の未来に不安を感じているのは、みんな同じです。この度立ち上げた企画は、そんな同じ気持ちの仲間と一緒にみんなで一歩踏み出せるコミュニティです。

宗教者・職人、そして法衣店……共に次世代へ伝えていきましょう。

挑戦を続けるナオシチを、これからもどうぞよろしくお願いします。

関連記事

▼ご相談はこちら▼