【高野山派】空衣(うつほ)とは
密教の中でも高野山派が主に着用する古式の法衣に【空衣(うつほ)】と呼ばれるものがあります。
空衣は高野山宗徒における平常着であり、山内での平日の往来、また、朝夕の勤行時などの時間に使用されるものです。
空衣の用途
主に山内に限って使用されることが多く、高野山以外の場所では使用されることがないとされています。
作務衣ほどの着物が不要な場合、軽作業などに主に使用され、修行中の若い僧侶であっても使用するものです。
高野山派
日本の代表的な宗派の1つであり、唐の国で密教を学んだ空海・最澄によって日本へと教えが広まりました。
天台宗、真言宗は二大密教とも呼ばれ、空衣(うつほ)を使用するのは、空海によって一派となった真言宗です。
真言宗には18の派が存在していますが、真言宗の総本山である金剛峯寺と、高野町があったことから、高野山真言宗とも呼ばれます。
色や素材
法衣の色や素材は、宗派などによって非常に多岐に渡りますが
高野山派が使用する空衣は主に、木綿、化学繊維で制作されます。
イメージとしては軽い上着のような物ですので、袈裟ではありますが動きやすい設計です。
色については、昔を振り返ると、白や黒、紫といったバリエーションがあったそうですが
現在では、柄物はなく、無地かつ黒で作られています。